【対話4】






【対話4】


2019.9.2
☆「オモイデ!」(ばふっと抱きつく)
★「いらっしゃい、待ってた」
☆「23日の話からしていい?」
★「はい、どうぞ。8月23日には5年前、2014年に真奈美さんがオールスターで出場した日だったわね」
☆「うん。この年はね、私、シーズン始まる前あたりから、症状が悪化して薬が増えて余計に副作用も増えて、状態が本当に悪くなってしまって、遠征はおろか、真奈美さんのHPの更新もできなくなっていたし、ダメダメだったんだ」
★「ベルがレギュラーシリーズで優勝した年だったのにね。特に前半戦は思い出も少ない」
☆「でも、真奈美さんがオールスターに出場するって決まって、会場は西が丘だったから、もうどうしても行きたくて、体調を無理やり持ち上げて、応援に行ったの」
★「前日の夜もほとんど眠れていなかったわよね、どうしても真奈美さんに会いに行くっていう、姿を思い浮かべてるその気持ちだけが私の中に強烈に残ってる」
☆「多分、あのときがいちばん無理やり試合を観に行った。そしてね、現地で真奈美さんに会えて、私は絶対ここからもう一度再生するんだって決心したの。自力でできるかぎりのことをして、優勝の頃には間に合わなかったけど、そのときもベルサポの方々や真奈美さんに助けてもらって、本当に、その年の皇后杯の頃にはまた遠征に行けるようになった。そういう、勝手な記念日だったからね、今こんなふうに会いに行ける幸せを大事に感じるために、普通の日だったけど、練習見学に行ったんだ」
★「それはよかったけども、翌週の真奈美さんのお誕生日には、ほとんど真奈美さんに関する記憶がないわよ?」
☆「火曜日あたりから風邪引いちゃって。一生懸命治してたんだけど、間に合わなくて。。あのね、これは引退したあとの澤穂希さんや丸山桂里奈さんが仰ってたことだったと思うんだけど」
★「うん」
☆「他のスポーツも同様かもしれないけれど、女子サッカー選手は、試合後に抜き打ちでドーピング検査があったりするので、現役の間は、風邪薬が飲めなかったんですって」
★「えぇ? 風邪引いたらどうするの?」
☆「ひたすら休んだり食事とかで治すのかなぁ。だからね、体調管理、とても気をつけているんだって分かったんだ。でもお誕生日プレゼントは当日届けたくて。壊れ物だったので送りにくかったから、手渡ししようとは決めていたんだけど。。お誕生日の翌日は、リーグ後半戦が始まる試合の日で」
★「まさかそれで、NFPのネット越しの一瞬の光景しか残ってないの?」
☆「うん。風邪の菌をグラウンドには持ち込みたくなかったから、最初は、練習後までグラウンドの外で待って、ファンサエリアで一瞬近づいて手渡すだけでもって思っていたんだけど、出かける前にちょっと母親に話したら、『私なら、演奏する前の日に風邪の人が来たら、どんなに親しい人で気持ちは嬉しいとしても、やっぱり迷惑よ』ってぴしゃっと言われちゃって」
★「あら、お母さん、私に劣らず厳しいのね」
☆「病気に対しては寛容だけど、怖いところは怖い笑」
★「あなた、、この前、私が残念な存在だとか言ってくれちゃってたけど、今回のあなたの方が百倍残念ね!!」
☆「意地悪。。お誕生日の当日に会っておめでとうが言える機会なんて、もうないかもしれないのに、って、ものすごく落ち込んだんだから。でも、ここで私のわがままを通して、もし真奈美さんに迷惑かけたらその方がもっと落ち込むから、真奈美さんが元気に笑っているのをひと目見て、スタッフの方にプレゼントを預けて帰った」
★「なんだか、試合当日の真奈美さんに関する記憶も、ちょっとぼやけているけど?」
☆「とにかくNFPから帰ってから、どうしてもしたいこと以外は極力休んで翌日の試合に臨んだんだけど、、今回は選手全員分の横断幕を今シーズン初めて揃えて出すことと、試合の最後まで身体がもてばいいって思って。でも試合の途中から、座席に座っているのも難しくなって、床に座って観てた。試合後もすぐには動けなくて」
★「あらら」
☆「そのとき、気づいたんだ、ああ、私、気が緩んでるんだなって」
★「ん?」
☆「女子サッカーの試合を観に行っているときに、明らかな体調不良で誰かに頼ったことって、初期の頃、一緒に行ってくれていた元いつもの同行者以外にはいなかったんだ、今回が初めてだった。一人で出かけているときにはね、もし途中で体調が悪くなって誰かに迷惑をかけることがあったら、『もう女子サッカーの試合に行くのはやめた方がいい』って言われてしまうかもしれない。それは絶対避けたかった。だからどんなにつらくても自力で帰ってきてた、もしくは遠征先ならすぐに宿泊予定に切り替えてた。遠い場所なら遠いほど、誰かに言ったら、心配かけてしまうよね。会場の地元の方にどこかまで送っていただいたとしても、その先が遠いから」
★「そうね」
☆「でも、今回は、沿線の駅まで車で送れるからその先は大丈夫かな? っていうふうに言っていただけて」
★「ああ、それなら、お願いしても、それほど心配かけないですむわね。安心できる方がいてくださってよかった」
☆「うん。たまたま、練習場でもチラシ配りでもスタジアムでもよくお目にかかっていた方が近くにいて、私の不調に気がついてくださった。今までの私なら、無理してでもお断りしていたと思うの。でも来週もまた試合は来るのだし、ここで無理しすぎずに今回は甘えようって」
★「チームの物理的な距離が近いって、そんなところでも影響があるものなのね」
☆「ほんとだね。今のこの状況に、本当に感謝」
★「そういえば、試合の後のセレモニー? 真奈美さんがオーロラビジョンに映ってた?」
☆「田中里穂選手という選手がね、移籍することになって、そのためのセレモニーだったの。里穂選手は、地元出身で、ステラの下部組織の一期生として、ずっとステラのことを所属選手として支えてきてくれた人なんだよ。私は里穂選手のプレーをたくさんは観られていないけれど、ふとした隙に前へ通す縦パスいいなぁと思ったこと、何回かあったなぁ」
★「オーロラビジョンで、真奈美さんのお隣りにいた選手が泣いていたけど」
☆「それは沙映選手。先日届いた会報誌ステラプレスを読んで分かったんだけど、里穂選手と沙映選手はふたりとも二十歳なんだって。二人で対談してるコーナーがあったんだ。そのときはこうなるとは思ってもいなかった。同期の選手がいなくなるのがきっとさみしかったんだろうね」
★「沙映選手って、ときどき真奈美さんと一緒にいるところが私の中に残ってる」
☆「うん、このときも里穂選手のお隣で泣いてた沙映選手のそばに来て、いたわってて、それがちょうど映ったみたい」
★「このときの真奈美さん、なんか貫禄があってとても優しい表情ね」
☆「ね。里穂選手がね、スピーチでオーロラビジョンに映る姿を見ていて、ときどき言葉に詰まりながら、それでも自分の言葉を探して話そうとするのを、頑張れって思ってて、スピーチの中ではね、トップチームに対する憧れについても話してくれていた。そのあとで映った真奈美さんを見て思ったんだ、リーグ1部のチームで戦いつづけている真奈美さんは、すごい選手なんだなぁって。そういう人を応援してこられて、本当に嬉しいって」
★「風邪で朦朧とした頭で笑」
☆「え? そうそう笑」
★「そのせいで真奈美さんが余計に綺麗に見えてたりして」
☆「あー、天然SNOW効果。。」
★「なに??」
☆「いや、いいのいいの。あ、オモイデあのね、真奈美さんとは直接は関係ないんだけれど」
★「ん? いいわよ、聞いてあげるわよ?」
☆「今節新発売だったグッズの購入特典でね、ステラのキャプテンのみなみ選手のブロマイドもらって、それにたまたまサインとメッセージが入ってて」
★「あら!」
☆「購入の御礼と、『たくさん身に付けて、ガンガンステラアピールしてね(^^)』って」
★「いいじゃない、そうしたら?」
☆「うん。本当はそれ以外にもね、前半戦でもしてきたようなステラアピールね、とてもしたいんだけど、真奈美さんのHPが更新できなくなった、する必要がなくなったように、私の心のあり方が、あのとき大きく変わって」
★「それは私にもよく分かってる。あなたにとってはとても大きな変化であり回復だった。もしかしたら、他の方にはまったく理解できない変化の仕方かもしれないけれどね」
☆「20年前に、ネットで自分として発信しはじめたとき、私はいちばん激しい症状の真っ只中にあって、そこからずっとそれで来てしまったから、今、改めて自分が何をどんなふうに言うべきなのか、分からなくなってしまった。これは、心のあり方としては大事な回復だったけれど、外からはきっと、ただ、ステラや真奈美さんについて何も発信しなくなったと思われるんだろうなって」
★「そうね、実際、そうとしか見えないと思うわ。あなた、真奈美さんのお誕生日のお祝いさえ、他の人に見えるようには何もしなかったのよ?」
☆「・・・」
★「あなたにはあまり自覚がないようだけど、私と話していたり、写真MEMOは更新してるように、何も発信してないわけじゃない。20年ぶりに大きな変化をしているのだから、自分の状態が追いつくまで、待ってあげなさい」
☆「それでいいの? いつ追いつけるかも分からないよ?」
★「いいのよ」
☆「そっか。ありがとう。オモイデに話してよかった」
★「じゃあ、早く風邪を完全に治して、次の遠征に備えて休んどきなさい」
☆「うん、またね」


2019.8.12
☆「オモイデ!」(ばふっと抱きつく)
★「いらっしゃい。体調はどう?」
☆「カップ戦の長野での試合の少し前から、薬の飲み方を変えようと思って、ずっと試してたの」
★「長野戦の前から?? 体調がその前とは違う感じでかなり悪かったのはそのせい?」
☆「うん。真奈美さんが絶好調のときに、応援ができなくなるとか、個人的な事情もあったにせよ、やっぱり何か納得できなくて。声が出なくなったことも含めて、自分の中で調べたり考えたりして、決めたの。薬を変更すればほぼ間違いなく体調はいったん悪化するけれど、その時点で、カップ戦の決勝トーナメントはステラが勝ち上がった場合、ステラのホームになって神奈川県内だろうと分かってたし、決勝も西が丘で決まってたから遠征による身体への負担がないことが分かってて、それと一年の中でね、今年の女子サッカーのスケジュールで見たとき、このカップ戦後の1カ月間が、お休みとしてはいちばん安定した状態で長くとれることが分かったから。その期間に実行して、どうしてもリーグ後半戦には間に合わせたくて」
★「そう。今の感じは?」
☆「ようやく方針が定まって、きちんと眠れるようにもなってきたから、これでまた数年行くかな。2015年に飲み方を変えて以来」
★「それで回復するの?」
☆「十分に今の薬の飲み方に慣れたら、今までよりも、自分の意図通りに動けるようになっていくと思う。薬からの余計な抑圧が少なくなっているはずだから、失声の可能性も低くなると思う」
★「なら、その予測を私は信じましょう。無理しないでね」
☆「うん、ありがと」
★「トレーニングマッチでは、また真奈美さんの姿見られてよかったわね」
☆「うん!」
★「あなたの記憶しか分からないけれど、少なくとも2アシスト」
☆「うんうん。1本は直接FKからサク選手が頭で決めてくれて、1本は左サイドからのグラウンダーのゴール前へのクロスをひかり選手が決めてくれた! 元気に活躍してて嬉しかった〜」
★「ほんとにねぇ、今年はよく真奈美さんに会えて。ってね、思ったときに私の中で思い出したことがあって。最近、あなた湯郷ベルのTシャツ着てるわよね」
☆「うん。2012年の開幕戦のときね、その頃、よく試合に同行してくれていた人が、『開幕戦っていうのはサッカーではお祭りみたいなもんだから行った方がいいんじゃない?』って美作での試合に一緒に行ってくれて。真奈美さんを応援しはじめて、初めての開幕戦だったから。。当日その人がお昼ご飯を探しに行ってくれたときに、『こんなの売ってたよ』って買ってきてくれたものなの」
★「ああ、そうなの。そこの馴れ初めは知らなかった。あれ、サイン用Tシャツとして売られていたもので、『これに中野に初めてのサインもらいなよ』って言ってくれたのよね」
☆「うん。。それがね、その開幕戦、当時なでしこジャパンの監督だった佐々木則夫さんも視察に来てて、、真奈美さんのことも観に来てくださっていたみたいで、観客席のなかVIP席に向かう監督に、『真奈美のこと頼むぞ!』って声をかけておられる方とかもいて。なんかすごい試合に来ちゃったって思って」
★「その日、試合では、あんまりいいところが見せられなかったのよね」
☆「・・・」
★「そういうときもあるわよ」
☆「少なくとも、今日サインもらうのはやめようって。きっと真奈美さんだって落ち込んでるし、そういうときにもらったらダメ、やめようって思って」
★「そのままTシャツはお蔵入り。。笑」
☆「ずっと過去のユニフォームとかとは別の、すぐ着られる場所にしまってあったんだ。でも、今度ね、ノジマフットボールパークに、スペランツァ大阪高槻が練習試合に来てくれるのね。そこの今の監督は、当時湯郷の監督だった種田佳織監督で、チームには元湯郷の選手もたくさんいるの。真奈美さんと時期がかぶっている選手もいる。それを思ったときに、いろいろなことがあったなぁ、でも、全部大事な過程だし、このTシャツも着てあげないと、着たいって思って。家の中と近所で着てるだけだけど」
★「あの日、試合中、サインをもらおうって決心するのも大変だったものね笑」
☆「笑い事じゃないよ。ほんとに大変だったんだよ」
★「分かってるわよ。その2カ月くらいあと? 初めてサインもらったときに、あなたがおかしくなって書いた記事読んだら、痛々しくて。そう、その記事をね、思い出したの」
☆「あの頃は、自己肯定感が今の10分の1くらいしかなくて、人に対応する能力もずーっと低くて、妄想との境も危うくて、特に真奈美さんは最初から強烈な状態で私の中にいたので、現実に近寄るとか全然無理だった」
★「あれから7年! あの頃から比べたら、本当にずいぶんそばにいられてるなぁって、ほとんど感動したわ」
☆「練習試合ね、3セット目は真奈美さん、ピッチの反対側でしの選手と座って見学していたのだけれど、その姿を遠くから見ててね、ふと、もし、真奈美さんに会えたばかりの頃に、真奈美さんが距離的に近いチームにいたとしても、私、コンスタントに練習見学とか行けなかったんじゃないかと思ったの」
★「あの頃の感覚としては、そうかもね」
☆「今でよかったなぁって。本当に、今でよかったって。単なるご縁の世界だけれど、今、ステラにいてくれてる真奈美さんにありがとう、って、思った」
★「あなたも、真奈美さんの存在に助けられながら、よく回復してきたわよ。けっこう壮絶だったけど」
☆「うん、自分でも頑張ったと思う! でもひどい道のりでごめんね。今はね、あの頃よりもずっとずっと幸せをちゃんと感じられる身体になってきた」
★「最近、ツイッターとかから真奈美さんの情報入ってこないけど、それも調子が悪かったから?」
☆「ああ、ごめん、体調もあったんだけど、薬を変えるときには、少しでも精神的な刺激を減らすために、リアルタイムで反応が起こっているようなツイッターとかのSNSからは離れた方がいいらしくて、そうしてみた。いわゆるデジタルデトックス的な意味でも。様子を見て、またどうするか決めていこうと思う」
★「そう。とりあえず前向きにやってるみたいでよかったわ。前回、ちょっと不安になったから」
☆「あのとき、薬に関する最初の方針がダメになったときで、完全に悪化する前に手は打てたんだけど、ちょっと落ち込みそうだった」
★「分かった。私はあなたの状態を少し感じるだけで、真奈美さんに関すること以外はほぼ分からない存在だから、言えるときに言ってくれればいいの。安心したいだけだし」
☆「ありがと。じゃあまた!」
★「はい、またね」


2019.7.31
☆「オモイデ」(そっと抱きつく)
★「あら、なんか元気ないわね」
☆「あのね、、カップ戦準決勝の試合で、真奈美さんがゴールしたんだけど」
★「知ってるわよ、開始早々のナイスゴールだった」
☆「試合後にね、会場から出てきたときに、階段の下で、チームのチアリーダーの方々と一緒に、社長がお見送りに立っていらして」
★「そう」
☆「それでね、私に『ビューティフルゴールだったね』って言ってくださったの」
★「あら、あなたのことご存知なの?」
☆「知っていただいていると言うほどではないのだけれど、どこの試合でもお見かけするし、ホームの試合では入場時に必ずお出迎えをしてくださっていたし、ビラ配りをご一緒させていただいたこともあって、お目にかかれたときはご挨拶だけはいつも」
★「あら、そうなの、で? なんでそれで落ち込むのよ」
☆「社長がこんなふうに真奈美さんのゴールを喜んでくださっているのすごく嬉しくて、でもなんか胸がいっぱいになってしまって、『ありがとうございます』としか言えなかったんだけどね、昨日、社長が退任なさるということが発表になって。代表が交代するのだって」
★「ああ、そういうこともあったからきっと、あなたにも声をかけてくださったのね」
☆「うん、そうだと思う」
★「最後に一言でもお話できてよかったじゃない」
☆「うん。この先は、『一歩離れたところから、大好きなステラと女子サッカーを応援していきたい』って仰っているので、スタジアムでお目にかかれることもあるのかもしれないね」
★「そうやって、同じチームや選手を後押ししてくださる方が離れるのって、寂しいことね」
☆「そうだね」
★「あのね、あなたが真奈美さんの応援をいきなり理由も不明な状態でできなくなったとき、周囲の方に、もちろん社長さんとは比べ物にならないだろうけれど、同じように感じさせてしまったかもしれないわよ」
☆「え?」
★「いつもご挨拶していた方や、一緒に横断幕を出させていただいていた方々から、心配していただいていたでしょう」
☆「そうか。。そうなのかな。。単なる体調による沈没だけの問題じゃなかったから、自分にすら理由が分からないことだったから、そういうこと全然思い至らなかった」
★「あなたは、周囲への影響を考えなさすぎなのよ。もちろん体調の都合で余裕がなかったのがいちばんの理由だったし、真奈美さんの情報を扱うという側面においてはあえてそれでいいときもあると思うけれど、私の中にある思い出を眺めていると、真奈美さんのことと一緒に、あなたのことをさりげない形で気遣ってくれていた方がたくさんいらっしゃる。そのことも忘れないでね」
☆「うん。。」
★「そうそう、ステラのモバイルサイト、真奈美さんについての嬉しい情報がいっぱいだったわね!」
☆「うん! ゴールしたときのものすごい喜んでいる姿の写真とかね、選手コメントの真奈美さんの言葉もとても読んでて嬉しかった」
★「写真についてたコメント、『普段は冷静な中野選手も』笑」
☆「普段、冷静なんだね」
★「昔、湯郷で種田佳織監督が真奈美さんのこと『表情からすると緊迫感が伝わりにくい』って言ってたし笑、本人が切羽詰まっててもあんまりよく分からないのよ、きっと」
☆「最近、そうでもない気がするけど。だいぶプレーに凄みが増してると思うよ」
★「ゴールシーンに関して、みんなの連携による得点だって書いてあったわね」
☆「そう、あれね、私は、ボール奪取とアシストのパスに関しては、写真MEMOや中野さんのDATAページに書いたとおり、っていうか、あそこに書ききれなかった部分でも、ほんとに皆さんの連携の賜物って思っていたけど、しの選手の動きに関してはノーマークだった」
★「私の記憶の中には真奈美さんの動いている周辺しか残らないんだけれど、真奈美さんがダッシュを始めた時点では、大野選手の方が前にいたわよね」
☆「そうそう。神戸は高瀬愛実選手と鮫島彩選手の両SBが強力で、真奈美さんも言っていたね、2人がかなり積極的に上がってくるのもあって、あのカウンターのときも真奈美さんの前は空いていた。ステラがボール奪取した瞬間から、走り出しを狙ってる感じだった」
★「真奈美さんが走り出したとき、一緒に神戸の右SBの高瀬選手は後からついて走ってきてたけども、大野選手は中央にいて、真奈美さんが脇を全速力で走っていくのを、動かずに見守っている感じだったわね」
☆「そのあと、走り出しているけどもね。あれね、真奈美さんと同時に走り出す選択だってあったんじゃないかと思うんだ。けど、しの選手があそこですぐに動かなかったことで、しの選手をマークしてたと思われる神戸のCBの三宅史織選手は、いちばん真奈美さんを追いかけやすいところにいたところにいたんじゃないかと思うけれど、一瞬戻ってきてたからその後はしの選手の動きも気にして真奈美さんを完全には追いかけなかったし、高瀬選手もドリブルしてる真奈美さんを背後からは捕まえきれなかった。ゴールに対して右手側にいた神戸のもう一人のCBの三浦紗津紀選手は斜めに走ってきていたから間に合わなかった。それらの総合的なものが、真奈美さんのシュートを可能にしたんだなって、何度も何度も繰り返し観ていて思った」
★「あのシュートには時間的余裕はまったくなかったものね」
☆「うん。あ、これはもちろん、私は完全に素人の見方だから、ほんとに想像だけど。ボールがないところでの動きっていうのでも、いわゆる見た目に分かりやすい駆け引きばかりじゃないんだって、ようやくちょっと理解した」
★「そういうの、確認したり、想像したりするの、意外に面白いものなのね」
☆「そういういろんな選手の一瞬の判断とか動きがね、積み重なって試合を作っているんだと思うと、ほんと面白いよね」
★「それでも、あれをちゃんと決める真奈美さんはさすが」
☆「ほんとよかった。いくら絶好のチャンスだったとは言っても、あの場面で決めるのと決めないのとでは、試合が大きく変わる可能性があったと思うから」
★「『後半開始から悪い流れをたちきれず』っていう真奈美さんの言葉は?」
☆「んー。。51分にPKをとられていて、、でも神戸は枠外に外したんだよね。このときにステラの流れにできればよかったんだけれど、どうも現地にいた感じでは、雰囲気的にその運を活かしきれなかったような気がしてた。後半開始時点では両チームともメンバーの交代はなかったし、、」
★「真奈美さんが言うように『個々の差』? ってことは技術的な差のこと?」
☆「それもあったのかな。あとは、写真MEMOに少し、お友達の言ってくれた『勝者のメンタル』のことを書いたけど、試合の中で、いつどこでチームの力を集中させていくのが勝利につながるかみたいな感覚は、多分、選手個人が経験で持っている以上に、今自分がいるチームの中でしか育たないし、そういうの、今のステラのメンバーでちょうど育成中の時期なんじゃないかなという感じもしていたから、実っていくのはこれからかも。ただ、それよりも神戸はなんか、、後半から戦い方を変えてきてて、ステラのサッカーはほぼ展開できなかった。流れを自分たちの方へ持ってこれなかったのも、もっとサッカーの戦術的に?神戸の方向性の変更に?要因があったのじゃないかな、勉強不足でよく分からないのが残念」
★「ふーん」
☆「ともかく! カップ戦は終わった!! しばらく試合はないし、シーズン後半戦、またステラの楽しいサッカーを観たいよ〜!」
★「応援体制、回復してきた? 準決勝では、ユニも着られてた」
☆「そうー! ナップサックを置くような座席の余裕はなかったし、今日は頑張る、着る、と思って」
★「あなたの横断幕は持っていったけど出さなかったのね」
☆「うん、大和なでしこスタジアムは掲出エリアが狭くて、場所が足りなかったから。今回はほんと、それだけの理由。でもね! 前に話していた選手お揃いの横断幕、できあがってきたんだ!!」
★「そうだったわね、よかった!」
☆「つっつさんもいらしていたからね、二人で受け取れてよかった。試合の後、スタジアムの外で、広げて両端を持ったところを、お友達に写真撮ってもらったんだ♪ それにそれに」
★「そうそう、その話を」
☆「横断幕ってね、作ったときは、たいてい、選手にサインをもらって、『魂を入れてもらう』ものなんだって」
★「魂??」
☆「横断幕に応援の効果がありますように、って、なのかな? そういう話は前から聞いてはいたんだけど」
★「あなた、そんなお願いしたことあった??」
☆「ない。湯郷のときにはね、一緒に横断幕のキャッチフレーズを考えてくださった方のお一人、りちゃさんが、美作での試合で真奈美さんがゴールをしたときには、横断幕にサインをもらってくださっていたのね。でも横断幕にサインをいただいたのはそのときだけだった」
★「仙台でも長野でも、ステラでも、なんでもらわなかったの?」
☆「うーん、真奈美さんは横断幕にそれほど興味がなさそうな気がしてたし、作って掲出させてもらうだけで私的には十分だったからかな。後は、仙台は2年目以降は、クッキーとシュガーとクレムのお父さんに預かっていただけていて、長野では応援団の方に預かっていただけていて、幕をはるときや撤収のときはできるだけお手伝いしていたけど、自分で持ち運んでいなかったこともあるかな」
★「そこでもコミュニケーションが足りてないし。。」
☆「体調に余裕がなくて、、ほんと全然周りが見えてなかった」
★「私からすると、今もあんまり見えてない感じだけどね!!!笑」
☆「ごめんなさい。。でも今回はね、試合前に横断幕受け取って、試合が終わる頃には、不思議なほど当たり前に、横断幕にサインをもらおうって思ったの。自分で勝手に作ったものじゃなかったからかな? つっつさんと一緒に名前入れさせてもらったからかな? ぜひ、つっつさんと一緒にいるときにサインもらおうって思って。出待ちして、ちょっとした隙に最低限の説明して、サインをいただけました」
★「真奈美さんがゴールした日だったし、カップ戦の決勝トーナメントでもあったし、記念になる日にいただけたわね」
☆「うん! リーグ後半戦の頭からサイン入り、魂入り?で持っていけると思うと、ほんとに嬉しい」
★「持っていけるって、あなたが運ぶの?」
☆「うん、応援団の方にお尋ねしたんだ。お預けしておけばホームでは出していただけるということだったんだけど、アウェイにも持っていくんであればお渡しします、ということだったので、つっつさんにも了承をもらって、預からせてもらったの」
★「じゃあ、とりあえず現地では応援体制が復活しそうね」
☆「そうだね、そうしたい」
★「あとは情報系か。。」
☆「それはね、もう少し時間がほしいです。今回、カップ戦準決勝の試合前にたまたまツイッター覗いたときに、試合告知のためになでしこリーグの公式が出していた動画と、mycujooが出していた動画の両方に、真奈美さんのゴールシーンが入っていたのね。それで思わず、それについてつぶやいたんだ。試合でもゴールがあったから、そのことについてもつぶやきたいとすごく思ったけれど、言葉がうまく出てこなかった」
★「急がなくてもいいのよ。ただの確認。今回の試合を一緒に観戦してくださっていたお友達が、『まなぴーがゴールして嬉しかったでしょ? それでいいんだよ』って言ってくださってたわよね」
☆「うん、うまく応援ができなくなっちゃったことを相談させてもらっているお友達の一人で、彼女は応援活動の経験がとても長くて豊富な人だから、応援ってものについて、すごく基本的な大事なアドバイスをくれてて」
★「そういう相談を個人的に誰かにするのも、初めてね」
☆「うん、HPで、公開で自分の困難な状態を書くことは何度もあったけど、直接相談したのは今回が初めてだね」
★「それも、プライベートなエリアがようやく確立したからできることなのね、きっと」
☆「そうなんだね。HPで書いていたときよりもずっとずっと安心」
★「よくここまで来ました」
☆「多分ね、オモイデと話してることも、そういう流れを作ってくれたんだと思う」
★「それはようございました笑」
☆「ありがと。オモイデ、あのね」
★「なに?」
☆「ううん、おやすみ」
★「おやすみなさい」


2019.7.15
☆「オモイデ!」(ばふっと抱きつく)
★「あなた、身体大丈夫なの? 今試していることあって、かなりきついんでしょ?」
☆「長野に行って帰ってもこられたし、大丈夫。今ローソンに行って、ポカリスエットの大容量買ってきたのと一緒に、タピオカミルクティー売ってたから買ってきた!」
★「何それ?」
☆「知らないの? 今、はやりの飲み物〜」
★「真奈美さんと関係ないものは知らないわよ」
☆「オモイデはそういうところが残念だよね」
★「しょうがないでしょ、そういう仕様なんだから。何よ、あなたの中の真奈美さんの思い出なら誰にも負けないわよ」
☆「そんなもんに勝ったって、まったく何の意味もないし笑笑」
★「・・・。長野に行く日の朝、あなたGoogle Photoの写真集を見ていたわね。真奈美さんの湯郷での試合前の集合写真も入ってた」
☆「うん。スマホに通知があったの、6年前の今日何をしていたか覚えていますか?だったかな?? 2013年ね」
★「私がまだ意識を持つずーっと前のことだけど、私の中の記憶をさかのぼったらあったわよ」
☆「2013年の7月12日と13日の写真がずらーっと出てきたの。7月12日には、カップ戦の第6節が鈴鹿スタジアムで対伊賀戦があって、中3日で湯郷の美作ラサスタで対仙台戦が開催されるということでね、移動中に奈良の三輪山に登ってきたんだ」
★「三輪山のことはよく分からないのだけど、12日の試合後に、あなた真奈美さんに、初めて自分のいつも持ち歩いている鞄にサインをいただいたのよね」
☆「うん。三輪山に登るときに、その鞄で行くつもりで、力を貸してほしかったからお願いしたの。暗がりの中でね」
★「試合開始が18時だったから、終了後のファンサのエリアはほんとに暗くて」
☆「そうそう。でもそのおかげで無事に登ってこられたんだ。私にとって13年ぶりの、とても大事なことだったの」
★「三輪山に登る前に、橿原神宮に寄っているわよね」
☆「うん。日本最古の神社ね。中学の修学旅行以来だった。その頃に会った巨木たちにもう一度会いたくて。でも駐車場になっちゃってた」
★「橿原神宮が八咫烏に関係があったことで、サッカーに関する祈願ができた」
☆「そう! 行ったらそうなっててびっくりした。でもこれは絶対お願い事をしなくちゃなって、絵馬を奉納してきたんだ」
★「真奈美さんと真奈美さんのサッカーのことをお願いして」
☆「うんうん。彼女のことそこまできちんと神さまにお願いしたの、初めてだったんじゃないかな、その後は毎年どこかでしてきているけど」
★「あの頃も真奈美さんを一生懸命、応援してたのね」
☆「当時の、彼女をすごく好きだった気持ちを思い出した。そして今も、こうしてそばにいられていること、彼女を変わらず好きでいることを本当に幸せに思ったよ」
★「それなのに、どうして応援の仕方が分からないなんて言うの?」
☆「それには、、もう少し後で答えるね」
★「はい。長野戦では、横断幕を久しぶりに出したのね」
☆「うん。彼女の、長野への今シーズン初の凱旋になったから。長野の皆さんに、ステラで彼女はとても元気です、一緒に私も元気です、ってことを、長野でお世話になった御礼の気持ちとともにお伝えしたかったから」
★「横断幕を、ステラの選手応援セットのユニフォームデザインのナップサックの中に入れていって、ナップサックは、自分の隣の座席に、背番号9が見えるようにかけてて」
☆「ユニが着られなかったからね。その代わりにならないかなって、試合開始前にふと思って」
★「ステラの応援団の皆さんから、中野コールたくさんいただいていたわね」
☆「練習に入るときからね。本当に嬉しかった。彼女の選手紹介のときには、長野の皆さんから拍手をいただいて。それもほんとに。写真MEMOにも後で試合のこと触れるけど」
★「真奈美さん、試合では本当に頑張ってたわね。あなたの中では、史上最高に強くて綺麗な真奈美さんだった」
☆「うん。最初から、最後まで。あのね、Uスタで久しぶりにプレーを観たからだと思うんだけど、、」
★「はい?」
☆「すごく主観的な判断だけど、仙台の最後の年と長野で、彼女に最もいい使われ方として期待されていた役割をね、彼女は、今ステラで、ステラの皆さんの中にいて、すごく自然に実現できているんじゃないかなって、初めてはっきり感じたんだ」
★「まあ、そう!」
☆「彼女に託されていた方向性は間違っていなかったんだって。ステラのチームの中で、彼女のサッカーは、今もいちばんいい形でバージョンアップしてるんだって。そのプレーを観られていることが、彼女を応援してきた人間にとって、どんなに嬉しいことだったか」
★「そうね、本当にね」
☆「あのね、さっきの質問の答えだけど。。応援の気持ちは、2013年より、もしかしたら今の方が強いかもしれないの」
★「私もそう感じるわ」
☆「でも、それをどこまで見える形にするのがいいのか、それが分からない。公開で大声で言うことなのかどうかも」
★「真奈美さんの資料的な部分を、大事だと思ってくださる方もいらっしゃるようじゃない?」
☆「そうだね。HP『中野真奈美さんのこと。』の中で、中野さんのDATA集と、中野さんCalendarの元データにしているGoogle Calendarは、需要があるという声をいただいているので、その2つだけは、状況に応じてそっと更新していこうと思ってる。元のトップページにもリンクを入れておくね。HPの中身自体は、更新停止当初の状態で残してあるんだ」
★「ね、『そっと』にしたいの?」
☆「うん、そうなんだと思う。少なくとも今は」
★「横断幕も、また出さなくなるの?」
☆「もうすぐ、ステラの選手全員お揃いの、応援団の方々が主導で作ってくださった、小さめの横断幕ができあがってくるんだ。彼女のもあるの、つっつさんと私の名前入り。元々、それを作るというお話を聞いたときに、それだけの数を出すのであれば、お揃いの幕があれば私の幕はいらないって思ってた」
★「つっつさんって、真奈美さんをあなたと同じでやっぱり湯郷の頃から応援されているかたよね」
☆「そうそう、奈良のかたね。幕を作るための援助を一緒にさせていただいたの」
★「あなたの真奈美さんの横断幕は、大きいしね!笑」
☆「そうなのよ、過去作ってきた彼女の横断幕の中で、最大に場所取るから笑笑」
★「そのお揃いの幕にちゃんと引き継ぐまで、頑張って待てればよかったわね」
☆「まさか、ああいうタイミングで声が出なくなったり混乱して、応援ができる状態じゃなくなると思ってなかったから。申し訳ないです」
★「そのこと、ちゃんと真奈美さんに話したの? HPの更新を止めて検索結果から外したこととか」
☆「ううん、その頃ちょうど話せない時期だったし。。でも、昨年秋の長野にいたときのゴール以来、ずっと勝手に贈ってきてるゴール賞やアシスト賞というのがあって、先週の火曜日、ちょっと急に相模原方面に行かなくてはいけないことになって、ついでに日体大戦でのアシスト賞を、NFPの練習見学のあとで渡しに行ったときは、彼女は笑顔で受け取ってくださったよ」
★「うなぎパイの、例のゴールドとか?」
☆「そうそう笑。それはオマケで。うなぎパイの紙袋にいろいろ入ってたのがよかったのかも!!」
★「あのね」
☆「いやいや、きっとそうだよ」
★「ほんとあなたたちコミュニケーションってものが取れてないわよね。出会ってからいったい何年経ってるのよ」
☆「いいの。どんなに離れてても、彼女は私のこと、自分で気づかないうちに助けてくれちゃうの。彼女が『あれ?』って思ってるうちに意図せずピンチの私をいつも助けちゃう。この数日でもそう。その力は、本当にすごいから」
★「全然よくないわよ」
☆「そうなの?」
★「もう。。」
☆「長野戦のあと、アウェイ側のベンチの前で、池ヶ谷夏美選手を筆頭に長野のチームの皆さんと話している彼女は、試合後にゴール裏に挨拶に来たときの痛恨の無念な様子とは違って、すーごく、ほんとものすごーく楽しそうで、少し遠くから眺めてて、嬉しかったなぁ。あ、じゃあ私、ちょっと別の作業があるから、これで帰るね」
★「はい、またね。身体、本当に気をつけなさいね」
☆「うん、ありがと」


2019.7.8
☆「オモイデ」
★「いらっしゃい、待ってたわ。昨日の試合では、真奈美さん、2得点のうち、1点目は自分でファウルもらって自分の直接FKでアシスト、2点目はピッチの半分くらいをドリブルでボールを運んで、アシストとなる亜里沙選手に見事なスルーパス、数人に囲まれてもキープしてたし、ゴール前にも個人技で迫ったり、選手交代によって最後まで様々なポジションをこなして」
☆「オモイデ、興奮しすぎ笑」
★「あなたが【写真MEMO】の試合の記述から、真奈美さんの部分を削除なんかするから!」
☆「だって、、個人的な感情と区別がつかないんだもの。。」
★「まだまだねぇ」
☆「彼女に関しては、永遠に無理な気がする」
★「あのねぇ! 選手として客観的に評価してあげられないなんて、それ自体」
☆「そんなこと言ったって、どこからが客観的か分からないもん!」
★「もう! そんなことだから信頼してもらえないのよ。全部ひっくるめて、世界中に謝って!」
☆「ごめんなさい。。」
★「はぁ、ちょっと、気が済んだわ。いずれにしても、昨日の試合では、真奈美さん、いろいろな場面で、仕事人だった」
☆「ほんと」
★「反応薄いわね。削除したのもそうだけど、真奈美さんの活躍、嬉しくないの?」
☆「嬉しいよ!? 彼女、凄く綺麗だった」
★「どういう感想よ笑」
☆「うーん、そうとしか。。」
★「こりゃ、やっぱり永遠に無理かも。。」
☆「ごめんなさい。。」
★「そういえば、あなた、スタジアムでも声が出たのね!」
☆「うん、その件は、【写真MEMO】に書いたから、割愛するね。本当にいいチャンスをいただいたなぁと思う」
★「私の中にはその件、真奈美さんと関係ないから詳細は残っていないけれど、それも神さまからのプレゼントよきっと」
☆「そうだね!」
★「いろいろ元に戻りそう?」
☆「ううん、それは難しいかもしれない。ただね」
★「うん?」
☆「話せるようになったばかりの、バックスタンドまでの移動中、会長さんという方とご一緒だったんだけれど」
★「はぁ」
☆「私が、『これまで公開で見えるように応援しなきゃいけないと思っていたプレッシャーから解放されたんです』ということを話したときにね」
★「うん」
☆「『重しがとれたんならよかったなぁ』って言ってくださったんだ」
★「うん」
☆「『どうしなきゃいけないってのもないしさ』っていうこともね。でも、私が『これからまた応援について考えます、目に見えるように応援するかどうかも考えます』って言ったときにね、『それも大事なんだけどね』って、その言葉を二度、仰ったの」
★「それ、って、目に見えるように応援することってこと?」
☆「うん。会長さんは応援団の一員でいらっしゃるしね。そう、目に見える応援も大事って、すごくよく分かるの。そういうものが試合全体の力になるって、思うから」
★「おそらく選手にとってもね?」
☆「多分ね」
★「大事だって分かっているなら、やったら?」
☆「それを個人的なところに持ってくると、それが本当に大事かは分からないと思う」
★「そうなの? そもそも、あなたは、真奈美さんの力になると思って応援してたの?」
☆「ううん。単純に応援したいからしてた。自分のやることが彼女に影響するなんて、考えたことなかったし、実際そうだったと思う」
★「そう」
☆「今も、きっとそれは変わらなくて、むしろ負担だったのかもしれなくて、だから彼女は私の自由意志に任せる、という意味のことを言ったんだと思う」
★「今は、じゃあ、あなたは目に見える応援をしたくなくなったのね?」
☆「まだね、プレッシャーから解放されたばかりでよく分からない。彼女に負担を感じさせてまでやることじゃないし」
★「負担かどうか考えるのは真奈美さんであって、あなたじゃないわよ」
☆「そうだね」
★「まぁ、今回は、声が出ない間にずいぶんいろいろなことがあったものね。真奈美さんの感情的な部分が確認できない以上、あなたは自分が本当にしたいことを、起こるかもしれない未来にも責任を持って、やるしかないの」
☆「うん。私も、自分にとってのリスクマネジメントをしていかないといけないからね。起こるかもしれない未来で病気が悪化するような選択はできない。自分のためにも、家族のためにも」
★「そうね」
☆「【写真MEMO】に書いたとおり、着実かつ全速力で、考えてく」
★「言っておくけど」
☆「うん?」
★「あなたが真奈美さんや真奈美さんのプレーを好きだと思う気持ちは、誰にも侵食されるものじゃないのよ。真奈美さん自身にさえ。それに、それをあなたがどんな形で応援しようとね」
☆「頭では分かることだけど。。世界は自分だけで回ってるわけじゃないもの」
★「それでも、自分の気持ちには正直にね」
☆「うん。そうじゃないと、永遠に心のリストカットを繰り返すだけだと思うから。それもリスクマネジメントの一部だよ」
★「それが分かってるならいいわ」
☆「真奈美さんのいいプレーがオモイデの記憶にたまってくれて、嬉しい」
★「良い栄養をありがとう」
☆「それじゃ、またね」
★「・・・」
☆「あ、ごめん」(ぎゅっと抱きつく)
★「またね」


2019.7.1
☆「オモイデ」(そっと抱きつく)
★「おかえりなさい」
☆「ただいま」
★「あなた、前の週の間に、静岡に行ってきたのね。っていうか、うなぎパイの部分しか私には分からないんだけれど」
☆「うん、ちょっと、、新潟に続いて仕事だったみたいで急遽。。そうそう、浜松にあるうなぎパイファクトリーにも行ったんだよ!」
★「真奈美さんが、チームのプロフィールの口癖のところに『うなぎパイ!』って書いてたことは、私にも分かってるわよ」
☆「うん。あれが出たときにね、うなぎパイのこと調べてて、、うなぎパイファクトリーのこともそれで知って、いつか絶対行きたいって思ってたの」
★「あと、その後のモバイルサイト内のインタビューでも、うなぎパイのことをインタビュアーのかたに突っ込まれてたわね笑。それで、『ゴールド』について熱く語ってて」
☆「それさぁ、調べたんだけど、うなぎパイってとても繊細というか、ぶっちゃけ割れやすいお菓子なので、ネットでは扱っていないのね。だからかもしれないけど、うなぎパイでゴールドって調べても全然分からなくて」
★「ファクトリーの店員さんに伺って笑」
☆「もうね、、恥ずかしかったっていうか、、でも今聞かなくちゃって思って」
★「ゴールドだったわね」
☆「うん、ゴールドだった。包装が笑」
★「美味しかった?」
☆「うん! ファクトリーで、3種類のうなぎパイを味見できたんだ。普通のうなぎパイも久しぶりに食べて改めて美味しかったけど、ゴールドは、って、、正式名V.S.O.Pも、美味しかったよー! ブランデー風味の『真夜中のお菓子』! でもお子様でも大丈夫!」
★「まぁ、うなぎパイの宣伝したところで。少し落ち着いてきた?」
☆「うん。だいぶ自分を取り戻してる。静岡に行ったときは実は話せたんだ。でも、先日の試合ではまた無理だった。現実感を失っていたのも自分を見失っていたのも、おそらく仕事のせいだったけれど、そのほかに、いろいろまだ葛藤があるのかもしれない」
★「とうとうギオンスでも、横断幕を出さなかったしユニも着なかったのね」
☆「少し、、話がそれるんだけれど、いい?」
★「いいわよ」
☆「この前の試合でね、ステラの田中陽子選手が海外移籍に挑戦することになって、今シーズン、ステラでの最後の試合になって、壮行セレモニーがあったりしたの」
★「そう」
☆「陽子選手はね、私の中で、U-20W杯のときの大活躍もそうなんだけど、私が好きなステラのサッカーの中に必ず含まれていた、存在感の大きな選手でね」
★「今シーズン、真奈美さんとのポジション争いのような形になっていた時期は、あなた本当に苦しんでたわね」
☆「彼女が活躍してくれていたから、その時期の葛藤も乗り越えられたなって思う」
★「彼女って、真奈美さん?」
☆「うん。試合中ね、陽子選手の写真を撮らせてもらうとね、足の使い方が本当に個性的とというか独特で、その姿がすごく嬉しかったんだ。ああ、目で見ていいプレーだなぁって思っていたあの技術は、この足の使い方から生まれてくるんだなぁ、この足を陽子選手はずっと自分が置かれた環境の中で育ててきたんだなぁって分かって」
★「好きな選手なのね」
☆「うん」
★「じゃあ、記念にサインでももらってきた?」
☆「ううん。私ね、選手としてプレーを好きだと感じている人は他にもたくさんいるけれど、そういう人たちがピッチでプレーしているのを観るだけで、あるいはその余暇で発信してくれたものを目にしたり、メディアに出てくれたりするところを見られるだけで十分で、サインがほしいとか、記念グッズがほしいとか、話がしたいとか、自分を認識してほしいとか、全然思わないの」
★「そうなの?」
☆「そうなの。元気出してほしいなとか、変わらずお元気なのが嬉しいとか、彼女も一緒に写っている写真をあげてくれたりしてることに対する御礼の気持ちを伝えたいな、と思っていた選手や元選手のかたに、偶然近くにいられたときに声をかけることはあったけど」
★「彼女って、真奈美さん?」
☆「うん」
★「ということは、出待ちしてサインもらったり、たまに差し入れしたり、グッズ集めたりしている真奈美さんだけが、特別ってことなの?」
☆「そうみたいなの。私は、例えば他のアーティスト、音楽では、特にライブやコンサートに行くことも滅多にないし、美術の方でも作品を観たいという気持ちはあるけど、作っているご本人の近くに行きたいとか会いたいとかいう気持ちはない。作品や作品の制作に関する話が聞きたいときもあるけど、その際もサインとか、もらったりしたことないの」
★「はぁ、そう」
☆「そういう意味で、彼女は私にとって本当に特殊な人で。でも、これまではね、彼女を選手として見てあげることがいちばん大事だって思ってきて、だから、選手としての活躍にいちばんスポットが当たるように、HPでも頑張ってきたつもり」
★「あの膨大なDATAページとかね笑」
☆「うん。でもその作業もね、、、。ごめん、また少し話がそれちゃうんだけど、、」
★「最終的に繋がってくれるなら、頑張って聞くわ」
☆「ごめんね。あのね、この前に話した『自他の境界』が私の病気では崩れる、という話とも繋がっているんだけど、彼女を初めて湯郷のピッチで観て好きだと思ったときにね、私はまだ自他の境界ができあがってなくて、自分の中だけで好きだと思う気持ちを持っておくことができなかったの」
★「んん?」
☆「本来の私なら、あ、そう、少し話したけど、例えば女子サッカーの入口になってくれた宮間あや選手みたいに、選手として好きな場合は、それがどんなに好きだったとしても、プレーを観られたりメディアなどを通じて話が聞けたりする、いろいろな人が宮間選手について話しているのを聞く、それだけで十分で、現地に行っても接触しようとは思わないの。でも彼女を好きになったときには」
★「彼女って、って何度も聞くけど、真奈美さん? なんでそう呼ばないの?」
☆「ごめん、今は呼べない」
★「そう、じゃ、続きどうぞ」
☆「彼女を好きになったときには、自分の中だけで収めておくのは無理だったの。それは、その気持ちがあまりにも特別で、強くて、私のゆるい自他の境界を超えて外にまで出ちゃったのね。それで、私の中では大変なことになって、それを何とかするためにHPを作ることになって」
★「自他の境界の外に出ちゃったというのは、あなたの妄想よね?」
☆「うん、そう。今なら、そう言える」
★「HPでは女子サッカーに関して、ずいぶんいろいろなことを扱ってきたけど」
☆「そうだね。この、外に広がってしまったエリアを何かで埋めないといけなかったから、まずとにかく彼女のいる世界のことを知ろうと思って、自分の目に入るあらゆる方向で、女子サッカーに関すること、彼女に関することを集めた。そうしてできたのがあのHPだった」
★「ただの応援の賜物じゃなかったのね」
☆「応援の賜物だったことは間違いないけど、オモイデの言うとおり『ただの』じゃなかった。病気からのプレッシャーで、彼女を好きでいることを、応援しているということを、公開で、証明しつづける必要があった」
★「もしかして、今はその必要がなくなったの?」
☆「うん、多分、そうなんだと思う。あのね、これも意外なところから起こってきたことで。。昨年の秋から彼女に向かって個人的に誰にも言わずに続けてきたことがあることは、前にも少し話したけど、それが『閉じた自分』を作り上げてくれたの。私に、病気になる前のような『私の中だけでのこと』、というのを、つまり、私にとっての本当のプライベートを持つことを許してくれた」
★「それは、、あなたの病気にとっては、とても貴重な回復ね」
☆「うん。症状として最も根本的なところだと思ってる。私はただ、後悔がないように目一杯、彼女を応援をしたかっただけで、そんな効果は考えていなかった。彼女はまた、自分の意図しないところで、私のこと、思わぬ形で助けてくれたんだよね」
★「真奈美さんとあなたはきっと、出会ったときから、そういう関係というか運命にあるのね」
☆「ここまで来ると、そうかもしれないね。私は全然、彼女のために何もできてないけど」
★「何もって。。そういえば、この間、チームの彼女のブログのコメント部分で、あなたのこと真奈美さんのお母さんと間違えてるかたがいたわね」
☆「・・・」
★「あなたが真奈美さんを見守っていることは、HPやあなたを知らないかたにさえ伝わっちゃってるんだなって思ったわ」
☆「すごくびっくりして、、嬉しかった、、けど、、本物のお母さまに申し訳なくて。ちょうど、もうユニは着ないから」
★「そういう気持ちも、外には見えない形にしたいの?」
☆「したいというか、外に見える形にする必要がなくなったの」
★「気持ちが変わったわけじゃないのね?」
☆「変わってない、と言うのは難しいほどいろいろな過程を経てきたけど、やっぱり、根本的には変わってないのかな」
★「真奈美さんを応援している存在であることをアピールしなくなることで、あなたに届かなくなるものもあるかもしれないわね」
☆「そうだね。彼女を応援している人として認識されることで、今まで、たくさんの方々に数え切れないほどのギフトをいただいてきた。目に見えるものも、見えないものも、形のあるものも、ないものも。みんな、彼女のおかげで」
★「それは私の中にもたくさん残ってるわ。あなたはそういう方たちの中でこそ、自分の居場所を持ててきたのよ。それは分かってる?」
☆「分かってる。そこはまだ、うまく自分の中でも・・・でもここからどうなっても、それも運命だと思う」
★「静岡では話せたのに、この間のギオンスではまた声が出なくなっていたところからしても、あなたが最初に言っていたとおり、まだどこかに相当強い葛藤があるんだと思うわ。回復による変化からの葛藤だから、自分を責めないでね」
☆「うん。こんなになっても、試合は観たいの。彼女のいるステラのサッカーをできるだけ現地で観ていたい。それに、ただほんのご挨拶だけだとしても、お目にかかりたい方々もいる。あのね、こないだの試合の帰りに、いつものバスに乗ったら、いつもご挨拶してるステラサポの方に偶然お目にかかって。それにね、相模大野の駅で、ちょっとお腹空いたなと思ってラーメン屋さんに寄ったの。具体的なことは写真MEMOの方に書くけど」
★「うん」
☆「そうしたら、カウンターの隣に座っていた若い男性と店長さんが、陽子選手の話をしてて。私は話せないから、横やりも入れられなかったけど、その光景の隣でラーメン食べていられることが嬉しくて。ついでに、駅まで戻ってきたら、また別のステラサポさんに偶然お目にかかって笑。わぁ私、本当にステラという存在の近くにいるんだなぁって思ったんだ。すごく幸せな気持ちだった」
★「それもまた、真奈美さんが連れてきてくれた場所なのよ」
☆「うん。感謝してる。本当に」
★「そう。分かった。ここのところ、ずいぶん動いたから、よく休んでね」
☆「うん。話を聞いてくれてありがとう。私にとってはね、オモイデと二人きりで彼女について話せるこの場所も、大事な守られた空間なんだよ。オモイデのツッコミに泣きそうになることもあるけど笑」
★「遠慮がなくてごめんなさいね。でもこの場所が守られていると感じられるならよかったわ」
☆「それじゃね」(ぎゅっと抱きつく)
★「はい、ありがとう。またね」


2019.6.16
☆「オモイデ」
★「あら、来られたの! あなたまた」
☆「ちょっと、そのことは待って」
★「はい。こうして話せるようになってから、あなたの言葉が不自由になったのは初めてね」
☆「そうだったね」
★「前に話したときに、自分を見失っていると言っていたけど、少しは取り戻せた?」
☆「ううん、まだ」
★「その割には、目に見える変化が大きいけど」
☆「そうだね」
★「そういえば昨日、選手応援グッズ一式が届いてたわね」
☆「うん。仙台のときに、おっきなタペストリーが届いたときのことを思い出したよ。彼女がサッカーをお休みしている時期にね、どーんって届いちゃって」
★「そんなこともあったわね」
☆「せっかくうちに来てくれたんだから、これまで集めたグッズたちと、話に花でも咲かせてくれるといいな」
★「これまでの、となると小さいグッズも多いせいか、そのおしゃべりは、なんかとてもかしましいイメージだわね」
☆「そう? ふふふ。そうそう、なでしこリーグのトレーディングカード、最後に落札した分も届いた」
★「クリックポストって、追跡ができるからなのか、郵便局のサービスでも、けっこう届くのに時間がかかるシステムなのね」
☆「だよね。初めて使った。っていうか、そもそもオークションとか初めてで」
★「あなたほとんど無意識にやってたから、大丈夫なのか心配だったわよ」
☆「トレーディングカードの発売日の朝に、ヤフオクの出品情報がたまたま得られてね。へぇーって思って。昔作ってたYahoo!アカウント引っ張り出してきてやったんだけど。きっと全然落とせないと思って、とりあえずヤフオクがどういうものか知ろう!と思って入札してたら、そのまま落札日まで行って落ちちゃったりして」
★「とりあえず欲しいものが落札できてよかったじゃない。今はフリマのメルカリで即決で購入できるようになってきてるし、心臓に悪いようないちばんの山は越えたかしらね」
☆「発売当日から試合会場でも売られはじめているんだよ。自力で欲しいカードを手に入れたい人もいると思うな」
★「あなたはトレーディングカードをボックスで購入したから、枚数からすれば、レギュラーカードは入っていない選手のほうが少ないくらいなのに」
☆「神さまはちゃんと分かってるのよ。差し上げたいと思う方のがことごとく出てきたときには本当にそう思った。出てくれて嬉しい選手もけっこういて。ああ、なでしこリーグには、この限定メンバーだけでもいい選手いっぱいいるなぁって、改めて思ったよ」
★「今までは一人しか見てなかったものね」
☆「そうだね」
★「8日の試合では、横断幕も出さず、ユニもタオマフも取り出さず、カメラも今季初出場の選手が出た終盤まで構えずに、スタンドに座っていて」
☆「それ言わないとダメなの?」
★「言わないと私が禿げそうなのよ」
☆「そっか」
★「応援をしなかったってことよね」
☆「うん」
★「うんって・・・」
☆「どうしてそういうことになったか、自分でもよく理由が分からないの。繋がっていたものも切らせてもらって。削除したものもある。でも今回は病気からの判断じゃないと思う。なんだか、そうするのが自然だったから」
★「応援をやめるの?」
☆「今は、応援という気持ちが、対象限らず、完全に自分の中から抜け落ちてる。ただ、応援はできないけれど、女子サッカーは観たいの。だから試合の観戦はしたいし、この前の試合でステラのサッカーは変わらず好きだなって思ったよ。ももちゃんも大好き。W杯のなでしこジャパンの試合も何とか映像で観てる」
★「きっと疲れちゃったのね。あなた、どう考えても頑張りすぎてた」
☆「そうかもしれない。今はまだ、自分が取り戻せていないから、この先どうするのがいいのかも分からないし、ここのところの自分の選択に関する判断もできない。だから『それ言わないとダメなの?』って聞いたの」
★「ごめんなさい」
☆「心配してくれているんでしょ。大丈夫よ」
★「大丈夫に見えないわよ。声だってまだ不自由のままだし。今回はちょっと長い」
☆「そうだよね。あのね、今回は初めて、他の人に先駆けて、家の中にいるときの母親に対してだけは話せてるときもあるの。不便だったり申し訳なさがあるから頑張ってるんだけど、ダメなときはまったくダメ」
★「頑張らなくていいわよ。余計に状態が長引いてしまうかもしれない」
☆「そもそも声が出なくなったのは、自分のお腹のあたりから自分の心の声が流れてしまっているという私特有の妄想が関係しているんだけど、それは、この病気の中心的な症状である自他の境界が崩れているところに起因していて」
★「むむむ? ちょっと待って、何? じたのきょうかい?」
☆「自分と他人を区別する境界のことね。つまり自分を自分としてまとめている形っていうか、壁のようなものが、この病気では崩れてしまうの」
★「それで、自分の心の声が他の人へ流れてしまう?」
☆「そうそう。思考は頭で考えるから、頭から電波が出てるというふうに妄想する人も多いみたいだし、同時に他の人の声が流れ込んできて、それが被害妄想とかにつながってしまうというのもよくある症状なんだ」
★「あなたにもそういう妄想があったわね」
☆「うん、でも今は他の人を悪者にしたくないという気持ちが、妄想よりも勝ってるから、大丈夫」
★「昔、真奈美さんに究極の悪口を言わせてた時期があった。あれは被害妄想の亜流よね」
☆「あの頃は、それを妄想だと、つまり現実じゃないという認識が妄想に勝てなくて、本当に申し訳なかったと思ってる。対象が特定な相手の場合=つまり彼女の場合だけど、私が強い気持ちを持っている人ほど、いい妄想も悪い妄想も合わせて、強い症状が出てしまうのだとようやく分かって、それからはなるべく強い気持ちを持たないように一生懸命コントロールしてきて、、うまくいかないときもあるけど、今も誰に対しても常に気をつけてる。この病気は、危機意識に由来して、脳内を活性化させるドーパミンが出すぎてしまうことも、発症の原因の一つだと言われているから、陽性の場合、基本、頭が動きすぎてしまうの。だからそれを抑える薬を使ってて、要は強い気持ちを持ちやすいのね、それがよくないらしいから。って。あのね」
★「はい」
☆「話したいことから話題がそれちゃったから、戻すね」
★「うん。ちょっともうあなたの言うこと、いろいろ頭に入ってない笑」
☆「いいのいいの、ごめん、またちょっとハイになりかけてた」
★「で、話したいことは?」
☆「うん。今回、話すことがまず家の中にいるときの母親にだけできたこともそうだし、実は書くことに関しても自分の中だけでは先に少しだけできてたの。それってね、これまでとは違って、自分というエリアができあがってきてたってことだなって思って。自分に対してや自分にとっておそらく安全だと認識できている場所でできることと、他者に対してや外の場所でできることで、差ができた。それは、自他の区別が確実についてきたってことかもしれないの。それって、実はこの病気にとっては、大きな回復の印というか、前進なんじゃないかと思うんだ」
★「ふむ」
☆「それが確認できただけでも、話せなくなった甲斐があった」
★「それが分かったなら、あっさり誰とでも話せるようになるとか、そういうことはないのね笑」
☆「そう思ったんだけどね、、今は悪いほうにいってるな。母親とも話せない」
★「話せないのって、つらくはないの?」
☆「ちょっとはつらいかな。主に面倒な状態で申し訳ないという気持ちで。だからできるだけ明るく振る舞うようにしてる」
★「そこは無理する必要ないでしょ。自分を許してあげて、つらさはできるだけ軽減しなくちゃ。それも結局、状態の回復に影響するわよ」
☆「そうかな。気をつける」
★「自分の中で大切な過程を経ているなら、他のことは横においていいわよ。その件と、応援のことと関係あるのか知らないけれど」
☆「そこは私にも分からないの。本当に分からない」
★「そういえば、真奈美さんのシクラメン、だいぶしんどそうね」
☆「うん、、昨年冬から部屋にいるシクラメン、勝手に彼女だと思って育ててきたんだけれど、来た当初の最初の花が終わってから、冬の間、沈黙してるなぁって思ってたら、4月に入る前あたりからいきなりたくさん花芽が出てきて、彼女がゴールするのに合わせて花が咲いていったんだ。本当にびっくりした。2輪一緒に咲いちゃって、え、2輪も大丈夫? って思ったら、ゴールの他にアシストが2本とかね笑。今も実は花芽がまだけっこうあるんだけれど、急に枯れてきちゃって。でもね、私が応援できなくなったことで、きっと彼女とのシンクロが解けただけだと思ってるよ。シクラメンにとっては急な暑さも来たりしてしんどかったろうし、もうすぐ休眠期だから。彼女はきっと大丈夫」
★「ステラに来てから、本当に夢のような時間だったわね。真奈美さんも素晴らしい成果を上げて」
☆「うん。幸せな思い出がいっぱい」
★「応援する人間としてついていけなくて残念ね」
☆「そうだね。でも彼女が絶好調の今だから、この選択ができたのかもしれない。昨年の秋からここまで、本当に何も後悔がないほど精一杯頑張ったし、素晴らしい環境と周囲の方々のお気遣いで、サポーターやファンらしい経験もたくさんさせてもらった。もう十分。これまで一方的で我儘な応援をずっとさせてもらってきた。病気が悪化するたびに何度も沈没して、見ていただく方々のことも疲れさせてしまった。もういいの」
★「私から見たら、あなたは本当に疲れているし、回復の過程にあったとしても、まだ病気の影響も受けてるように思う。今のあなたのいろいろな判断が正しいとも私は思わないけれど、それでも今の自分を許しなさいね。以前だったら、沈没したら観戦にすら行けずに、ひたすら苦しんでた」
☆「うん。そうなんだよね。昔のことって、忘れてしまう。今年が歴代最高の体調だってことを、認めてあげなくちゃね」
★「今日あなたから聞いた話ね、頭からこぼれ落ちかけた内容もあるけど、結局のところ、あなたにとってのいちばんの薬は、『安心』なんじゃないかしら」
☆「え?」
★「あ・ん・し・ん」
☆「安心。。そうか。そうかもね」
★「それを目指して歩いていけば、きっと、また良くなっていくわよ。あなたが応援できなくなってさえ女子サッカーを観たいのも、それと関係あるかもしれないわよ」
☆「そう、、そうかもね? ステラの練習見ながらよく泣いてたしね」
★「そこに真奈美さんもいてね」
☆「その不思議さといったらなかった。あの泣くのも、安心と関係ある気がしてた。試合は真剣勝負なのにね」
★「でもあなたの思い出の中の印象では、女子サッカーの試合や真奈美さんを観ているあなたの心は、いつもどこかで安心しているように見えるわよ」
☆「そうなんだ。。試合中の彼女、けっこう怖そうなのに笑。そうなら私は私にとってとても大切なもの、大切な人と出会ったんだね。じゃあ、そろそろ帰るね」
★「今日は抱きつかないの?」
☆「ごめん。今日は」
★「じゃ、少しだけなでて」
☆「はい」
★「これまでいつも、私に抱きつくことであなたは安心してきたかもしれないけど、私もあなたの身体のあたたかさを感じられることで安心できていたのよ。そのこと、覚えてて」
☆「そうなんだ。オモイデも安心をくれていたんだね。私も安心を渡せてたんだ。考えたこともなかった。教えてくれてありがとう。おやすみ」
★「おやすみなさい」